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AIと著作権(2023/07/28追記)

  • 2023年7月28日
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 昨日7月27日にヤフーやLINEを傘下に持つZホールディングスが、「OpenAIと、「GPT-4」など全てのAPIに関する利用契約を締結、独自AIアシスタントサービスをLINEグループ、ヤフーの約2万人に導入」というプレスリリースを行いました。

OpenAIと、「GPT-4」など全てのAPIに関する利用契約を締結、独自AIアシスタントサービスを
LINEグループ、ヤフーの約2万人に導入 – Zホールディングス株式会社 (z-holdings.co.jp)

 プレスリリースの内容をみると、LINEグループやヤフーなどの従業員である利用者は「文書やメールのテンプレート作成、文案の修正、調査、文章の分類分け、外国語のテキスト翻訳、アイデア出しなど、より多くの業務シーンで活用することが可能」となるとしています。

 また、「社内利用にあたっては社内認証やネットワーク制限を行い、各社の社内ネットワーク環境下でのみ利用できる、セキュアな環境を整備」するとともに、「出入力情報はOpenAIモデルのトレーニングやOpenAIのサービス改善に活用されず、二次利用や第三者への提供がされない仕様とした」ことから、著作権を侵害するリスクや社内の秘密情報の漏洩にも配慮した使い方となっています。

 同じ日に文化庁長官の諮問機関である文化審議会著作権分科会法制度小委員会が開催されました。

文化審議会著作権分科会法制度小委員会(第1回) | 文化庁 (bunka.go.jp)

 令和5年度初めての開催となった会議では、議題の一つとして、AIと著作権について、が取り上げられ、今後この小委員会で議論していくことが確認されました。主要論点項目としては、以下の3つがあげられています。

1.学習用データとして用いられた元の著作物と類似するAI生成物が利用される場合の著作権侵害に関する基本的な考え方

2.AI(学習済みモデル)を作成するために著作物を利用する際の基本的な考え方

3.AI生成物が著作物と認められるための基本的な考え方

AI戦略チーム(関係省庁連携)(第3回) – 総合科学技術・イノベーション会議 – 内閣府 (cao.go.jp)

 1つ目の論点は、前の記事にも示した内閣府のAI戦略チームの会合での資料における右側:生成・利用段階における論点になります。通常の著作権侵害に関する判例では、類似性と依拠性が根拠となるため、AI生成物における類似性や依拠性に関する考え方の議論が行われると思われます。

 2つ目の論点は、左側:AI開発・学習段階における論点です。現在の法制度では、原則として著作権者の許諾なく利用することが可能としていますが、必要と認められる限度を超えた場合などについては制限されることになっています。ただ、この閾値をどのように考えるのかについては判例等もないため、この場で議論されていくのだと思います。

 最後の論点は、そもそもAI生成物が著作物となるのはどういった場合かについての論点です。今までの著作権審議会などにおける議論では、AI生成物そのものについては著作物ではなく、そこに①創作意図及び②創作的寄与が加わった場合に著作物となると整理されてきました。この創作的寄与とは具体的にどのような行為であるのか、具体化できるのかについて議論されていくようです。

 これからも国での議論に進展があった場合などについては、随時補足していきたいと思います。

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