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AIと著作権について

  • 2023年6月7日
  • 2023年6月8日
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AI

 このサイトでも何度か紹介していますが、生成系AIがすごい勢いで発展していて、私たちの仕事や生活に入りこんで来ようとしています。これまで面倒だった様々なタスクから解放してくれるものですので、積極的に活用していくべきだと考えていますが、画像や文章を自動生成することから、著作権との関係も考えておく必要があります。

 2023年5月15日に内閣府でAI戦略チーム(関係省庁連携)の第3回の会議が開催されました。これは、内閣府やデジタル庁、総務省、経済産業省などの参事官や課長といった実務の責任者から構成される会議なのですが、そのなかで、文化庁からAIと著作権について整理した資料の説明があったようです。

内閣府:AI戦略チーム(関係省庁連携)(第3回)

 議事録は要旨のみなので、どのような説明があったかについてはわからないのですが、この資料からわかることを少しひも解いてみようと思います。

 この資料の2つ目のセクションに書かれているように、AIと著作権で留意すべきポイントとして、AIが開発・学習される段階と、AIが生成したものを利用する段階の2つに分けて考える必要があります。

 前者については、著作権法第30条の4の規定にかかわるもので、AI開発等の情報解析などで利用する場合には、原則として著作権者の許諾なく利用することが可能とされています。

<参考>
(著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用)
第三十条の四 著作物は、次に掲げる場合その他の当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
一 著作物の録音、録画その他の利用に係る技術の開発又は実用化のための試験の用に供する場合
二 情報解析(多数の著作物その他の大量の情報から、当該情報を構成する言語、音、影像その他の要素に係る情報を抽出し、比較、分類その他の解析を行うことをいう。第四十七条の五第一項第二号において同じ。)の用に供する場合
三 前二号に掲げる場合のほか、著作物の表現についての人の知覚による認識を伴うことなく当該著作物を電子計算機による情報処理の過程における利用その他の利用(プログラムの著作物にあつては、当該著作物の電子計算機における実行を除く。)に供する場合

 後者については、AIを使って生成した画像や文章についての著作権の判断ですが、通常の著作権侵害と同様の判断となるとしています。生成系AIはいろいろな画像や文章を生成することができますが、例えばある漫画家の画風に似せた画像を生成させたような場合や、人気の作家の作風に近い文章を生成させた場合に、もとの画像や文章に非常に近いものが生成される可能性があり、それについては著作権侵害が問われる可能性があるということだと思います。

 ただ、まだまだ活用が始まったばかりの段階なので、これからいろいろな角度から検討されていくのだと思います。

(6/8追記)
 日経BPの一歩先への道しるべというサイトで紹介されている福井弁護士の整理がわかりやすいと思いました。(以下にリンクを示します)「依拠性」(他人の著作物に基づいていること)と「類似性」(十分に似ていること)がそろうことで侵害と判断されます。そのうち、学習に利用している以上は依拠性は認めざるを得ないのではないか、という考えでした。ただ、膨大なウェブクローリングの中で学習に利用したか否かという判断はできるのだろうか、とも思います。

著作権に詳しい福井弁護士はChatGPTをどう見る?(3ページ目) | 一歩先への道しるべ ビズボヤージュ (nikkeibp.co.jp)

※この記事のアイキャッチ画像は、StableDiffusionのAIを用いてAIと著作権というテーマで生成したものです。

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