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ガートナージャパンのハイプ・サイクル:2025年

AI

 今年もガートナージャパンが最新のハイプ・サイクルを発表しました。(2025年10月1日)今年も昨年からどのように変わったのか見てみたいと思います。

Gartner、2025年の日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクルを発表

 ハイプサイクルに関する説明については、こちらの記事をご覧ください。

 今年のハイプサイクルは以下のような感じでした。下に示した昨年のハイプサイクルと比較してみようと思います。

 まず、AI関係の動向を見てみたいと思います。昨年はピークにあった生成AIは幻滅期との境界まで進んできました。先日参加した展示会での熱気も去年ほどではなかったような気もしますので、生成AIに関する熱狂というものがなくなってきているのだと思います。それに代わってAIエージェントとがピークに到達しようとしています。対話型のインターフェースを中心とした生成AIそのものではなく、それとタスクを組み合わせたAIエージェントが今後の中心になっていくのは、そうだろうな、と思います。

 さらに分野に特化したエージェント型AI、AI創薬プラットフォーム、AI定義型自動車などが黎明期に新しく登場しており、昨年注目した検索拡張生成(RAG)は今年は消えています。生成AIというベースとなる技術を使った個別の技術というのが、かわるがわるピークを形成していくのかもしれません。

 昨年のプレスリリースの中で言及されていたヒューマノイドなどのリアルとデジタルの融合という観点で見ると、メタバースは相変わらず幻滅期の底辺を進んでいます。技術としては面白いのですが、一般に普及するためのキラーアプリがない、というのがその原因かもしれませんし、コロナ禍という下駄をはいていた面もあると思います。

 実際にメタクエストを使ってみて、デジタルの世界のみで生活していきたいとするにはまだ体験が不十分のようにも思います。その他、デジタルツインも幻滅期に入りました。ヒューマノイド、エンボディドAIといった技術はまだ黎明期にあって、これらがまた盛り上がるためにはもう少し時間が必要かもしれません。

 また、昨年は幻滅期に記載されていたNFTとかブロックチェーンといった技術は、今年は消えていました。個別には重要なパーツとなる技術なのでしょうけど、社会全体へのインパクトという点では現時点ではあまり影響はないということなのでしょうか。

 なお、昨年の分析はこちらかご覧になれます。

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